豊かさとは何か spiritual enrichment 2003 7 8
今の時代、何が豊かで、何が貧しいか、不明の時代かもしれません。
私の子供の頃は、テレビは高価なものでしたので、一般的ではありませんでした。
私の家には、テレビがありましたが、
両親からは、テレビは見てはダメだと言われて、テレビを見ることは少なかったです。
テレビを自由に見てよいと言われたのは、大学に入学してからでした。
子供の頃、何をしていたか。
台所から、自分の部屋に戻り、よく1日を思い出していました。
先生は、あの時、なぜ、あのようなことを言ったのか。
どういう意味があったのか。
友達が言った言葉、なぜ、あんなことを言ったのか。
本当に怒っていたのか。
つい、言ってしまったのか。
家で兄弟ケンカをして、イライラして言ったのか。
1日の言葉の歴史を思い出していました。
それが終わると、よくラジオを聞いていました。
ラジオで、よく物語をやっていました。
ラジオで、よくドラマをやっていました。
ラジオのドラマを頭のなかで、創造して、楽しんでいました。
翌日、その内容を友人達と、語り合っていました。
同じストリーのドラマなのに、
友人がイメージした内容と、自分がイメージした内容が違うのです。
白熱した議論になりました。
そして、次はどういう展開になるか、日が暮れるまで、語り合いました。
ラジオは画像がないので、画像を頭のなかでイメージしますので、
人によって大きく差が出ます。
創造の自由がありますので、知的な訓練と、創造の楽しみになりました。
また、その当時は、シャーロックホームズの小説が流行っていましたので、
謎解きを、友人と、よく議論していました。
友人の家では、テレビのない家庭が多かったです。
今の子供がテレビに夢中になっている姿を見て、
物質的には豊かになったが、精神的には貧しくなった。
そう強く感じます。
いくら物質的に豊かになっても、
精神的に貧しければ、
それは、砂の上に建てた家に等しい。
ところで、昔、旅館にあったテレビはなくなったでしょうか。
テレビの横についている機械に、お金を入れると、
1時間100円で見られるテレビです。
これを家庭に導入したら、どうでしょうか。
子供がテレビを見過ぎて困っているという親が多いですね。
100円ではなく、コインにすればいいでしょう。
お手伝いをしたら、コイン1個という具合にしたらいいでしょう。
さて、先日、友人が「ゆとり教育」の真の狙いについて、こう言ってました。
少数のエリートが、一般大衆を支配しやすくするのが、
「ゆとり教育」の真の狙いであると言っていました。
これは、憶測でしょうが、
結果的には、そうなるはずです。
私が通った高校も、「ゆとり教育」でした。
先生が、生徒にうるさくなく、自由な雰囲気の学校でした。
自由を尊重し、勉強するのも自由、勉強しないのも自由、
ともかく、何でも自由でした。
先生が、生徒を注意することなく、生徒を自由に活動させました。
その結果、どうなったか。
入学した時は、入学試験がありましたので、
学力の差はありませんでした。
しかし、2年生になった時には、
巨大な学力の差がついていました。
学力の差が、天と地でした。
何しろ、自由が強調され、
勉強するのも自由、勉強しないのも自由でしたから、
勉強する生徒は、自由に熱心に勉強し、
勉強しない生徒は、自由に遊びました。
先生が注意しないことをいいことに、
授業をサボって、校庭で遊ぶ生徒、
仕方なく、授業を聞く生徒、
授業をサボって、図書館で勉強をする生徒に分かれました。
この結果がどうなるか、わかるでしょう。
トップ10%の生徒が、残りの90%の生徒を支配する学校になりました。
この学校は、自由は尊重していましたが、成果主義でした。
真の自由とは何か、
それがわからない者に自由を与えても、不幸になるだけでした。
この学校は、これを、ゆとりある教育と言っていました。